【ドイツ旅行】格安で巡る鉄道旅行の方法
こんにちは、ゲルです。
この間Facebookのドイツコミュで南ドイツ旅行するに際して「鉄道旅行でジャーマンレイルパスか個別の切符、どっちがいいのか?」という相談投稿がありました。
僕がドイツ旅行をしたのは2013年に1回でしたが、その時にもこの問題で悩んで色々な情報を漁ったのを覚えています。あまりまとまった情報って少ないんですよね…
ですので、その時に得た情報を発信したいと思います。
・ドイツ鉄道の種類
ドイツは欧州の鉄道大国です。ですので鉄道網は広く殆どの観光地には鉄道で行くことができます。鉄道にはいくつかの種類があります。
ICE
日本でいうところの新幹線です。長距離高速鉄道です。
CE/EC
こちらは特急です。高速鉄道に含まれます。
RE
簡単に言うと快速みたいな存在。普通電車に含まれます。
RB
各駅停車の普通電車みたいなもの。
他にも都市近郊鉄道や地下鉄、路面電車のトラムなどがありますが都市間の移動に使うのはまず上記を把握しておけば大丈夫!
・車両の種類
ドイツ鉄道の車両には一等車と二等車に分かれています。車両ドアに1とか2とか書いてますが何合車という数字ではないので注意!一等車はグリーン車、二等車は普通車の認識でOK!当然一等車はお高いです。
とはいえ実際には二等車でもあまり劣らないので、基本は二等車で問題ないですね。
・鉄道の乗り方
日本やイギリスとも違いドイツの駅には改札がありません。たまに電車内で検札があり、それでチェックしてます。地球の歩き方とかにも書いてますが、検札時に切符を提示できないと不正乗車として運賃プラス罰金が科せられます。
この検札というのがねぇ…制服着た車掌さんとかじゃないんですよ。
レザージャケット着たハゲのおっさんとか、さっきまで買い物袋持って座ってたおばさんとかがいきなりIDをだして「チケットを見せろ」と言ってきますw
文化的な馴染みがないのでビビりますが、素直に見せてくださいね。
・ジャーマンレイルパス
海外からの旅行者向けに販売している乗り放題切符です。恐らく日本から旅行に行ってる人は「とりあえずこれ」と買っている方も多いと思います。もちろん沢山、長距離乗ればお得な切符なんですが南ドイツだけまわるとか、数日に1回だけしか電車に乗らないとなるとかなり割高になります。
結構、実はパスじゃないほうが安かったというケースは多いのではないかな?と思ってます。でも、お得な場合も旅程によっては存在するので旅行日数分の値段はチェックしておきましょう。
1ユーロ130円換算だと10日間有効の2等車用が3万9780円です。
やっぱり少し高く感じる…w
豆知識ですが日本にも外国人だけが買えるJRのJapan Rail Passがあります。
写真はウチにホームステイに来た人が買ったのを撮らせてもらいました。14日間有効で4万6390円です。新幹線も乗れます(のぞみとみずほは除外)。
7日間有効だと2万9110円、後述しますがドイツと比べるとJRは割引運賃の販売は種類が少ない(さらに旅行者向けでない)し割引率も低い。東京〜京都〜大阪〜神戸〜広島くらいをパスを使えばすぐにお得になりますから、複数都市を巡るならJapan Rail Pass1択です。もし外国から日本に来る人がいれば教えてあげてください!
・ジャーマンレイルパスがお得な場合
ジャーマンレイルパスをdisってる訳ではないのですが、お得なパターンがいくつかあります。
1 .長距離を沢山利用する場合
例えばベルリン〜ミュンヘン〜フランクフルトなどの長距離をよく利用する場合です。乗り放題券なので、沢山高い料金分を利用すれば当然お得になります。
2 .ペア又は子供と一緒で移動距離が多い場合
ジャーマンレイルパスはシングルとツインがあり、ツインは150%(二人目半額)で購入できます。また12歳未満の子供が一緒の場合は、子供の分は無料になります。
3 .年齢が25歳未満で1人の旅行で移動距離が多い場合
ジャーマンレイルパスはユース料金があります。25歳未満という制限がありますが、10日間有効だと大人シングルより1万円近く安くなります。ただしツインの設定はありません。
4 .電車に乗る時間が未定
個別に切符を買うと基本的には指定の電車に乗る形になります。ですので滞在先に何時までいるのか分からない、乗車に遅れる可能性が高そうといった場合は切符が使えなくなる可能性がないパスの方が結果的にお得になることも。
5 .面倒と時間はお金で解決したいひと
そんな人はこのエントリーを読まないかもしれませんが…はっきり言って個別に切符を買うのは面倒です。リスクもあります。簡単さだけで言えばパスだけ持ってスマートに乗車する方が楽チンです。
さらに後述する方法では乗り継ぎが増えてしまうパターンもあるので普通よりも移動時間が増えてしまう可能性もあります。1秒も無駄にしたくない、移動時間はとにかく最短1択という人はパスの購入が精神衛生上お得だと思います。
・ドイツ鉄道の切符はディスカウント販売がある
ドイツ鉄道は飛行機の早割のように、割引運賃がかなり豊富にあります。割引率が半額を超えるものもありますのでかなりのディスカウントですよ!これらのチケットを上手く購入する事で旅程全体でジャーマンレイルパスを使うよりも安くなる可能性があります。
それにわざわざドイツの駅で受付に並ぶ必要もありません。クレジットカードがあればドイツ鉄道の公式サイトで購入と発券ができますから、日本にいる間に全て準備して、ドイツ現地では電車にのるだけ!ということができます。
・個別切符はどのくらい安くなるのか?
例をあげましょう
正規運賃101EUR/早割運賃39EUR
フランクフルト空港駅10:02分発
ミュンヘン中央駅13:38着のICE1521の運賃です。
62ユーロも割引されています、割引率は50%越え!
1ユーロ130円換算ですと正規運賃は13,130円。ちょうど東京大阪間の新幹線料金に近いですが、早割運賃だと5,070円で8,060円引きですよ!
これ、すごくないですか?安宿一泊分くらいは浮きますよ。
・ドイツ鉄道の公式サイトで調べる〜購入する方法
公式サイトではかなりしっかりとした運行ダイヤを調べることができます。もしジャーマンレイルパスの利用であっても鉄道ダイヤの確認のために使うだけでもすごい役立ちます。
公式サイトにアクセスしたら、ドイツ語では難しい時は英語版に変更します。(ぼくはこうします)
画面左上に出発駅/到着駅を入力する欄があります。
ここに駅名を入力するのですが、ある程度入力すると予測が出てきます。ただしChromeなどでページ全体を翻訳しているとうまく出てこないので注意してください。あとは乗車日や時間を選択すれば、パっといくつかの乗車プランがでてきます。
・合算してみよう!
公式サイトで鉄道ダイヤの候補を出したら、全ての費用を合算してみましょう。
その合計額がジャーマンレイルパスよりも低くなっていれば是非このプランで行きましょう。差額が微妙だったり、高くついてしまえば素直にジャーマンレイルパスを購入です。
・切符の購入
公式サイトで調べた時と同じ事をして、今度は購入に進みます。基本はクレジットカード決済です。チケットの購入を完了するとオンラインチケットが表示されます(メールでも届いてるはずです)。この表示されたチケットをプリントアウトするだけで発券完了です。
現地ではこのプリントを持ってるだけでOKです。万が一紛失した時の事を考えて購入完了のメールは旅行が終わるまで消さないようにしておいてください。
購入の詳しい方法については他のサイトで詳しく書かれている方も多いので紹介しておきます。
germanistermyself.hatenablog.com
・個別切符のデメリット
合算してみてパスと比べて1万円以上はお得になることもありますが、安いゆえにデメリットもあります。
1 .指定電車だということ
定価よりも安い切符は指定の電車に乗らなくてはいけません。
例えば19時発のICEなどの高速鉄道の切符を持っていて、駅に着くのが20時になってしまった場合は当然ながら20時発のICEには使えないのです。万が一乗り遅れた場合は諦めるか正規料金との差額を払うかしないといけません。
(REやRBなどの普通列車は区間の指定だけなのでどの列車でも基本はOKですが、注意書きや条件はよく確認してください。Google翻訳するだけでも大体理解できます)
また列車が遅れた場合はその列車を待たないといけません。日本と比べるとヨーロッパの列車はよく遅れます。昔のドイツ鉄道はそんなヨーロッパの中でも正確なダイヤで評判でしたが最近は民間への運行委託が増えたり、国際鉄道の接続が増えた事によって他国の遅延がドイツ鉄道のダイヤに影響することもあり遅延は増加しています。ICEやECなどは1時間くらいは遅れるものと思っておいたほうが気が楽です。
ちなみに1時間以上の遅延に関しては一定割合の返金を請求できます。日本の新幹線も2時間以上の遅延は特急料金のみ全額払い戻してくれますが、それと似た制度です。
ただ私個人としては窓口に並んで、そこからドイツ語や英語であーだこーだ説明して手続きして…というのはただでさえ減った観光時間を更に削った上に疲れる行為なので、高いチケットでなければ「仕方ないか」と思って済まします…
2 .乗り継ぎが増える可能性がある
指定区間直行というのも当然あるのですが、ICEに乗った後の途中駅でECに乗り換えてくださいという最安プランが出る時があります。
例えば新幹線で東京から大阪にいくけど、名古屋〜大阪ではのぞみで正規料金の人が沢山乗りそうだから、東京からはのぞみで行って途中の名古屋からはひかりに乗り換えてね、みたいな感じです。
この場合は、移動時間が直行より少し長くなります。
3 .早く購入しないとお得でない
基本は早割と同じなので、なるべく早く予定に入れて購入しないといけません。
そのため、旅行開始のギリギリまで検討を続けるのは難しくなります。半額以上の割引を狙うなら1ヶ月以上前から取るほうが確実です。日時が迫ると安い切符はすぐ売り切れます。
4 .基本は自分用にしか使えない
オンラインチケットの検札時に、そのチケットを購入したクレジットカードの確認を求められることがあります。
チケット自体はただのプリントアウトした紙なので、そのチケットを持ってる人と購入(決済)した人が同一かどうかの確認のためと思われます。
そのため、自分が行かなくなったから他人に譲ったりということができません。また、購入時のクレジットカードは旅行時に携行するようにしてください。決済に使ったカードを日本に置いて行ってしまうと少し面倒です。(パスポートの確認とか色々したら大丈夫だとは思いますが…)
・駅名の注意点
ややこしい駅名がいくつかあります。少し前にテレビで日本に来た外国人が富士山に行けると思って群馬の富士山下駅に行ってしまったと話題になったことがありましたが、それのドイツ版です。
まず検索で1番ややこしいのがドイツの玄関口であるフランクフルトです。(というか検索はバス停まで込みなので一つの地名で沢山似たものが出てきます)
フランクフルト中央駅(Frankfurt Hbf.)とフランクフルト空港駅(Frankfurt Flughafen bahnhof.)は違う駅なんです。東京〜羽田のように少し離れていますから、フランクフルト中央駅からの切符しかないのにフランクフルト空港駅から乗車すると不正乗車になってしまいます!
(しかもこの区間の検札遭遇率は高いように思います。個人的にですが)
またドイツ南部にありロマンチック街道の観光スポットとして日本人に大人気のローテンブルク(Rothenburg)。ややこしいことにローテンビュルク(Rothenbürg)という場所もあるのです。アルファベットの違いは一文字(uとü)なので間違いやすいんですよね…しかもお互いかなり離れてる。
ローテンブルク駅の正式名称は『タウバー川の上にある』を意味するオプ デア タウバーがついた Rothenburg ob der Tauber となります。注意しましょう!
・バイエルン州を巡るなら乗り放題のバイエルンチケットがお得
州都ミュンヘンがあり、古城で有名なノイシュヴァンシュタイン城や先述のローテンブルクなどがあり、そしてオクトーバーフェストの本場であるバイエルン州。
このバイエルン州内を旅行するならバイエルンチケットという州内鉄道乗り放題チケットがお得です。ジャーマンレイルパスと違い1日単位で範囲も狭いため割安でかつ、Sバーン(近郊鉄道)・Uバーン(地下鉄)・トラム(路面電車)・果てはバスまで乗れる優れものです。
但し欠点としてはICE/IC/ECなどの高速鉄道は適用除外です。REやRBなどの普通電車しか乗れません。バイエルン限定の青春18切符といえます。
値段は23EURで2人用のツインだと28EURです。ペアや家族連れだと割安度アップ!
これ1枚でローテンブルク〜ミュンヘン〜フュッセン(ノイシュヴァンシュタイン城)を巡ることもできるので個別のチケットを取る必要もありません。
・まとめ
いかがでしたか?
ぼくは南ドイツを巡る観光でジャーマンレイルパスを買うより2万円以上安く旅することができました!実際にドイツ全土をくまなく巡る旅行をする人は少ないのではないかなと思います。
是非、ドイツ旅行の際には早割チケットも検討してみてください!